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京都紅葉~2012年・秋~

自然の美しさが確認できる季節。

 

俳優の大滝秀治さんが亡くなられました。

先日の地位武男さんに続いて「北の国から」の住人がまたひとり。

 

とっても寂しいというか、

時間の流れを感じます。

 

私にとって「北の国から」は結庵の原点でもあります。

敬愛する倉本總さんの著作はほとんど目を通しました。

舞台も見に行きました。そして富良野にも出向きました。

「いつか五郎さんの丸太小屋、石の家みたいなのをつくって住んでみたいな」と。

 

便利すぎる日常は、自然の存在を肌で感じることを忘れてしまいます。

夏は暑く、秋に入ると少し肌寒く、

紅葉の進み具合と重ねて冬が近づいてきます。

いつしか吐く息が白くなってきたなぁ、と感じているうちに、

空からも白いものが降ってきます。

自然が奏でる音も日に日に変化します。つい先日まで蝉がないていたのですが、

今は草むらからオーケストラばりの合奏です。

 

いよいよ紅葉シーズンの到来です!

これから1日1日と日を重ねる毎に基調色が変化していきます。

今日はまだ緑色が多い嵐山ですが、

少しずつ緑の色が少なくなり始めています。

ところどころ、薄い紅色がチラホラ。今年は例年よりも色づきが早そうな気配です。

(とかなんとか言いながら、例年1週間もズレないのですがね)

おそらく、

山の上の色づきは早いだろうと思われます。

町中は例年通り、すなわち今年の紅葉期間は長いことが予想されます。

 

秋が長いのはとても嬉しいですね。

本当に空気が澄んでいて、空も高く、ゴハンがいつも以上に美味しく感じます。

 

自然をコントロールしきろうとするのではなく、

自然の中に馴染むように過ごし、変化を楽しむ。

少々のガマンもまたいとおかし。

旬の自然の恵みを口にして、ふとその出自に想いをめぐらします。

そうしていると、

急に山、川、谷、海、野が近寄ってきてくれます。

そして我々はそこに生きている事の“有難さ”を感じることができます。

 

 

倉本總さんが故大滝秀治さんに向けられた「お別れの言葉」を記しておきたいと思います。

 

~大滝さん。何十年ものあなたとの付き合いは、さまざまなことを僕に学ばせてくれました。

あなたのおかげで今ここにいます。

1つの番組が始まる時、初の顔合わせ、本読みの席にあなたが持つ僕が書いた台本は、

無数の書き込みで、すでにヨレヨレ、ボロボロでした。

若い頃、宇野重吉さんに「壊れたハーモニカのようだ」と酷評されたというあなたの声。

しかし、あなたはそのハーモニカでいくつもの素敵なブルースを僕らのために奏でてくださった。

 北海道放送の「うちのホンカン」で、初めての主役を演じてくださった時、

「僕が主役、僕の奥さんが八千草薫さん」と子どものように、はしゃいでいたあなた。

ロケ隊が入る何日も前から現地に入り、警察官の制服を強引に借用し、

子どもたちの通学の交通誘導をなさっていたあなた。

旅館の一室で虚空を凝視し、僕がすぐそばで「大滝さん」といくら呼んでも全く気づかず、

「ホンカンさん」と役名で呼んだら突如跳び上がってハッと警官の敬礼をされた。

 役作りに入るとあなたのスイッチは突如、世間の常識はどこかにすっ飛び、徹底的に役に集中し、

他人の迷惑は考えられなくなり、顔面に血が上り、血管が怒張し、

今にも切れてしまうのではないかと周りの僕らをハラハラさせました。

 

 緒形拳さんの最後の作品になった「風のガーデン」では、

あなたががんの末期患者の役で、終末医療の医者が拳さん、

そのロケの帰り道、拳さんが僕に目を輝かせて言ったものです。

「大滝さんに凄いこと言われた。健康と元気は別物ですよ」って。

拳さんはその時、すでにがんを告知され、クランクアップ直後にそっちに旅立たれました。

あなたはそのことを知らなかったはずなのに何かを感じておられたのでしょうか。

 

 あなたとは居酒屋でよく飲みました。

あなたの話題は常に芝居でした。それも一方的にあなたがしゃべり、こっちに口を挟む隙をくれず、

しゃべり終わると「じゃ」とひと言、そそくさと改札口に消えていった。

あなたの訃報に突然、接した時、「じゃ」とひと言、振り向きもせず、

せかせか改札口に消えていくあなたの姿を見たような気がしました~

 

 

 

たった1度の「2012年の秋」を、

どうぞ、京都嵐山、結庵musubi-anでお迎えください。